薄板構造物で問題になるのが座屈です。座屈発生時の作用荷重の把握によく使われるのが線形座屈解析です。Code Asterでも線形座屈解析が行えます。
筒の断面形状はクレーンの特許の図やカタログなどから左のようにしました。
筒の左端は拘束端です。FIXの部分の節点は並進方向の3成分を拘束し、回転の3成分は解放しています。右端は板で蓋をしたような形状。です。板の中央に集中荷重を加えています。
解析の流れは左図のようになります。
解析モデルから弾性剛性マトリックスを作成し、線形解析の結果を使って幾何剛性マトリックスろ作成します。
この2つを使って座屈解析を行います。
buckle=CALC_MODES(
TYPE_RESU='MODE_FLAMB',
MATR_RIGI=SAmech,
MATR_RIGI_GEOM=SAgeom,
OPTION='BANDE',
CALC_CHAR_CRIT=_F( CHAR_CRIT=(-0.5,90.0),),
VERI_MODE=_F(STOP_ERREUR='NON',
SEUIL=1.0e-6, ),
SOLVEUR_MODAL=_F(METHODE='SORENSEN',
DIM_SOUS_ESPACE=400,
NMAX_ITER_SOREN=100,),
);
苦労したのは固有値とモードの捜索範囲の設定です。0(今回は少しマイナス値)から正の値で範囲を指定するようにします。この範囲を間違うととんでもないモードが出力されます。
参考までに、似たようなモデル(形状、寸法、板厚は合わせたのですがmeshサイズが微妙に違ってしまいました)によるHyper Works -Optstructの結果を示します。
固有値をまとめると次のようになりました
Code Aster | Hyper Works | |||
1st | 73.815 | 79.093 | ||
2nd | 77.649 | 82.685 | ||
3rd | 80.183 | 85.975 |
差はありますが、実用上は問題ないでしょう。
次に拘束条件を、スライドプレートを考慮したものにしてみました。
解析結果です。
スライドプレート を考慮 | 並進を拘束 回転を解放 | |
1st | 75.933 | 73.815 |
2nd | 77.176 | 77.649 |
3rd | 80.992 | 80.183 |
コメント
[…] 前回は1次要素(DKT要素)を使いました。今回は高次要素(COQUE_3D)で解析を行いました。 […]