望むと望まぬとに拘らず 戦いは独立へと向け 組織化されていく 肥大する戦争のメカニズムの中に 組み込まれていく若者のうめきが 歯車の軋みのごとく 戦場に流される 情念を見失った戦いに 戦士の魂が戸惑う
第47話 予告より
舞台は夜の山中。リタの死は、「太陽の牙」の面々にやり場のない怒りと切なさをもたらしました。冷静さを欠いたジョルジュは通りがかりの連邦軍の車輌にライフルを構えて突っ込もうとします。
その場はロッキーとチコがジョルジュを組み伏せ、事なきを得ます。二度と勝手なことはするな!と叱るロッキーに、 連邦軍など皆殺しにすればいい 、と応じるジョルジュ。
「もういままでのような行き当たりばったりの戦いは許されない。司令部直属の遊撃部隊なんだ」と諭すキャナリーらには、「組織の歯車になれというのか!」と噛みつく始末。
ジョルジュを見ていると、組織において集団行動をとれない輩と重なります。本人は「自分が正しい」と思っているので手に負えません。
一方地球のカシム家では皆が久しぶりに家族で食卓を囲んでいました。ですがその空気はひどく刺々しいものだった。
デロイアの政局次第で予算編成が変わるのはよくあること。事件はその予算会議場で、ラビンが弟のクリンがゲリラであることを他局に他人に揶揄されたことでした。
彼はカシム家の名に泥を塗り自分の仕事の邪魔をしているクリンに怒り、その矛先をレークどころか継母のフィナにまで向けます。
自分の血のせいだと悲しむフィナに、ドナンはクリンこそ最も自分の気性を受け継いでいるのかもしれないと話すのでした。

さすが大物政治家の食卓です。
料理は豪華ですが、雰囲気は最悪です。

愚痴るラビン

それに同調するロイド。
いい大人が情けない。
そしてパルミナ。正式に解放軍遊撃隊の名を与えられた「太陽の牙」に、周辺に展開している連邦軍の通信システムの要であるデレエム電波中継塔破壊の命令が下されました。
「太陽の牙」はロッキーの指揮でさっそく行動を開始する。守備兵力が不明のためにロッキーは、ダグラムを押し立てての強攻作戦を決行、施設を攻略する。

グラブガンナーに手こずったものの、圧倒的な強さを見せたダグラム。
落としてみると守備兵力はわずか20名、クラブガンナーを装備しているとはいえ、ダグラム相手では持ちこたえられないことは明白でした。なぜ降伏しなかったと問うロッキーに、虫の息の連邦軍兵士は命令に従い戦うのが軍人だ、と答えて息絶えるのでした。太陽の牙の面々の心を重く暗い影が覆うのでした。
大きな闘いの勝ためには組織が必要。そのためには歯車になることもいたしかたない。ハックルの言葉ですが、まったくもってその通り。でも、理屈では納得できても感情は別ものです。当たり前のことなのですが、本話を見ていると改めて考えるところです。