戦いの質が変わる 戦いのスケールが変わる ゲリラたちの戦いはレジスタンスの域を超え 全デロイアの 解放へと向かう 参謀が欲しい 戦略的に 戦術的に大軍を 動かす司令官が欲しい サマリン、J・ロックがこの男と見込んだその男の名は
第42話 予告より
鉱山のゲリラたちの間に、封鎖されて身動きができないための精神的ストレスが蔓延しつつありました。
アンディ盆地の本拠で組織作りを進めるサマリン博士は、強力なスタッフ、特に作戦のプロによる参謀の必要性を痛感していました。
開口一番「スタッフだ。強力なスタッフがほしい」とはサマリン博士の言葉でしたが、仕事をしていてもいつも思います。
そして、優秀な人物は広く知られているようで、よく人材エージェントに引っこ抜かれてしまいます。待遇には気をつけなければなりません。
一方、カーディナルではザルツェフ少佐がランベル港作戦での命令不服従を軍法会議で処断され、一カ月の禁足に処せられていました。
参謀をスカウトする任に当たっていたJ・ロックは、ザルツェフに目を付け密かに工作を進めていたのだが、そこにかねてからの上層部批判と再三の強引な作戦指揮の責任が問われ、事務職へ左遷されるという噂をキャッチしました。もし噂が本当なら、引き込み工作に絶好なチャンスが生まれる。J・ロックは部下にさらなる情報の収集を命じるのでした。

或る日のザルツェフとJ・ロック。この頃のJ・ロックは隻眼ではなかったのですね。
サマリンはロッキーとキャナリンを使者に立て、カーディナルのJ・ロックの下へ督促を行う。なにしろザルツェフは生え抜きの将校であり、新たに結成される人民解放軍へ迎えることができれば大きな力になることは間違いなく、連邦軍に対して少なくない動揺を与えるに違いない。サマリンとしては絶対に欲しい人材なのだ。

頭の回転が速いJ・ロック。キャナリーに対しても巧みな話術でほめたたえるのでした。
アンディ鉱山の状況を知ったJ・ロックは寝返り工作をさらに推し進めるため、ザルツェフが裏でゲリラと通じているという噂を流して、軍の彼への信用を失墜させていきます。
軍に仕打ちを受けても忠誠心を失わなかったザルツェフ少佐でしたが、そんな噂を知ったフォン・シュタインは彼の更迭を決意し、少尉に降格のうえ軍刑務所送りにしてしまいます。
そこをJ・ロック部隊が襲撃、ザルツェフを護送部隊から奪取します。J・ロックからサマリンが自分を求めていると知らされたザルツェフはアンディ盆地へ同行することに同意、飛行機に乗ってパルミナに降り立つのでした。

久し振りに相対したJ・ロックとザルツェフ。
J・ロックの勧誘は効果的で、ザルツェフはサマリン博士の下に行くことに同意したのでした。
元々は、功を焦った新任指揮官のミスが発端のザルツェフ少佐の左遷事件。それを組織内の力関係が推し進めました。
会社に入りたての頃は気がつかなかったのですが、弱いを重ねた今日この頃では、少しは察することができるようになりました。
組織におもねってしがみつくか、少佐のように他の組織でも必要とされる人になるか。世渡りのスキルも大切ですが、若い人には後者を目指してほしいものです。